この記事は、
「三菱商事(8058)」に関する高配当株投資先としての分析レポートです。
三菱商事への投資を迷っている方はご参考にしてください。
三菱商事の事業領域
同社は5大総合商社と言われる日本の商社トップ企業の1つであり、
以下は、三菱商事の手掛ける事業とその具体例です。
- 天然ガス:原油・天然ガスの生産・開発事業、LNG事業
- 総合素材:炭素、鉄鋼製品、機能素材の販売取引、事業開発、事業投資
- 石油・化学:原油、石油製品、エチレン等の販売取引、事業開発、事業投資
- 金属資源:鉄鋼製品の取引仲介、鉄鉱石、石炭、非鉄金属の権益投資、取引仲介
- 産業インフラ:エネルギーインフラ、産業プラント、工作機械、農業機械、建機等の取引等
- 自動車モビリティ:乗用車、商用車の販売や販売金融
- 食品産業:原料の生産調達から製品製造に至るまでの販売取引、事業開発
- コンシューマー産業:アパレル、ヘルスケア、食品流通等の領域で商品・サービスの提供、事業開発
- 電力ソリューション:発電・送電事業、トレーディング等
- 複合都市開発:都市開発、不動産、企業投資、リース等

このように幅広い領域でバランス良く事業展開を行っており、どの分野でも総合商社業界のなかでは抜きんでた規模と収益性を誇ります。
三菱商事の配当状況
三菱商事の配当利回りは5.88%(2020年3月の実績値)と言われており、高配当株投資の投資先としては十分な配当利回りと言えます。

更に、2020年度3月の決算短信では、2021年度の年間配当見通しを2円増配となる134円としており、これで5期連続の増配となります。
2020年度の業績見通しは、新型コロナの影響で合理的な算定ができないことから未定となっているものの、同社が掲げる累進配当制を継続する方針から増配となっています。
2020年度についても
株価が2,300円とすると134円÷2,300円=0.058・・・となり
配当利回りは5.8%と高水準と言えます。
三菱商事の営業利益率
営業利益率が10%以上あれば優良企業と言われておりますが、三菱商事はどうでしょうか。

近年の営業利益率は減少傾向にあります。
業界トップの企業であるため、保有リスクが大きいとは言えませんが、買い増しのリスクは一定程度あるのではないでしょうか。
私は長期投資の分散先として既存保有株は保持しつつ、今後の買い増しは利益成長状況を鑑みて決定したいと思います。
三菱商事の自己資本比率
自己資本比率がは、一般的に30%あれば悪くなく、40%以上あれば安心と言われておりますが、三菱商事はどうでしょうか。

このように、例年は自己資本比率が30%を超えておりますが、至近2020年度のデータでは自己資本比率が減少傾向にありますので、今後注視する必要があると思われます。
三菱商事のROA・ROE
ROA(総資産に対する利益率)は5%以上、ROE(自己資本に対する利益率)は10~20%であれば優良企業と言われておりますが、三菱商事はどうでしょうか。

ROAについては例年5%を下回っており、ROEは10%程度といった状況です。
三菱商事の株主還元に対する意識
三菱商事のHPでは以下のとおり記載があります。
『中期経営戦略2018』において、株主還元は配当を基本とし、減配せずに利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を方針として掲げました。
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/adr/allot/
2019年度より開始された『中期経営戦略2021』においても、「累進配当」の方針を継続致します。
三菱商事は上記のように明確に「利益成長に合わせて増配すること」を明示しておりますので、利益が出ていれば増配となる可能性が高く、株主還元に積極的であると解釈することができます。
したがって、三菱商事の利益成長をしっかりと把握しておくことが重要だと言えます。
実際の配当金受領実績
三菱商事の配当時期は上期が6月(前年下期分)、下期が12月(当年上期分)です。
私は2020年1月から計200株を保有しており、2020年6月に上期の配当金を受領しております。
配当金の受領実績は以下のとおりです。
200株保有 2020年下期の配当金が68円
⇒200×68円=13,600円(税引後10,838円)
まとめ
これまで、三菱商事の配当金や企業分析について記載しましたが、これから同社への投資を検討される方は次のポイントを押さえておけば良いかと思います。
● 2021年度で5期連続の増配
● 利益成長がある限り今後も増配の方針
● ただし、営業利益率も自己資本比率も減少傾向にあるため、今後の財務状況を逐一確認することをおすすめする
以上、皆さまのご参考になれば幸いです。