✔ 大企業って向き不向きはあるの?
✔ 自分は大企業に向いている?
こんな疑問に答えます。
旧帝大を卒業し、大手インフラ企業に7年勤めている私が思うのは、
✔ 大企業に向いていない人も多くいる
✔ 大企業に向いていない人の特徴を知ったうえで自分を見つめなおすべき
以上の点について、これから就職活動を始める学生の皆さんに伝えたいです。
良い大学を出て、大企業に入って、結婚して子供を作って、
マイホームを建てて家族笑顔に暮らすのが幸せな人生
そんな風潮もまだまだ色濃く残る日本ですが、
それでは物足りなくなる人もいるのです。
✔ 大企業に向いていない人の特徴
【関連記事】大企業はもう安定ではない?大企業人員整理をまとめてみた
大企業に向いていない人~キャリア編~
大企業に向いていない人の特徴について、社会人としてのキャリアの観点でお伝えします。
①若いうちから責任の大きい仕事をしたい人
会社自体の規模が大きい大企業では、他企業との資本提携、海外プロジェクト、国家レベルでの開発プロジェクト等、ダイナミックな仕事は存在します。
ただし、入社して数年の社員がそのような規模の仕事に携わることができるはずもなく、仮に携わったとしても仕事の裁量は非常に小さいです。
その理由は、
大企業は社員数が多いため、個の力で仕事を進めるのではなく、組織の力で仕事を動かすものだから。
組織体系がきちんとしているからこそ、仕事の縦割りが細かく決められている(=自分の部署に任された仕事の領域があらかじめ決まっている)ため、
- 同じ仕事の繰り返しでつまらない
- 仕事に新鮮味が無くて飽きる
- 裁量の小さい仕事ではスキルが身につかない
大企業の社員は段々と感じてしまうことになります。
社内異動(ジョブローテーション)があり仕事内容が変わっても、スキルが身に付かないと感覚は同じなのです。
②早く部下を持ちたい人
「早く出世したい」
「たくさんの部下を持ちたい」
という意欲のある人にとっても、大企業に向いていないです。
✔ 日本の大企業は年功序列が特に顕著
✔ 管理職になるには、同期最速出世でも10年近い年月が必要
✔ 出世スピードは、ほぼ同期横並び
会社によって年数などは異なるとは思いますが、私のインフラ大手は上記のとおりです。
社員の平均年齢が比較的低い、人材派遣会社に勤める友人が20代で部下がいると聞くと『げんなり』しますよ。
③スピード感のある仕事をしたい人
はっきり言いますと、大企業では仕事のスピード感はありません。
なぜなら、ポストが多いことで会社の意思決定に時間がかかるからです。
前述のとおり、大企業は組織体系がしっかりと決められており、決裁権限(この仕事の意思決定は誰が行うのか)が会社規定で定められています。
進める案件の決裁権限が部長にある場合は、平社員が資料を作成し、その資料をもとに主任、係長、課長、グループ長へ順番に稟議・説明を行いグループ長への了解が取れれば、決裁権限を持つ部長まで稟議を行うことができます。
部長の稟議までに何回も「打ち合わせ⇒資料修正⇒打ち合わせ⇒資料修正」を繰り返すわけですから、時間がかかるのも当然ですよね。
決裁権限が定められていないちょっとした相談事であっても、
「念のため●●長(1つ上のポスト)へ話をしておくか」
といったマインドが働き、「なぜこんなことを決めるのにこれだけの時間がかかるんだ」とやきもきすることが日常茶飯事です。
④意味の無い作業に我慢ができない人
これまで述べてきたように、大企業には次の特徴があることをお伝えしてきました。
- 仕事の縦割りが細かい
- ポストが多い
したがって、日々の仕事の中に、
- 誰かが行った仕事を確認する作業
- 社内説明用の資料の数字に誤りが無いか確認する作業
- 上層部への説明のための議事録作成
といったように、
「これって何の意味があるの?」と感じる仕事で溢れています。
そういった「意味を見出せない仕事」に対しては感情を押し殺し、無心になって終わらせることができない人は大企業には向いていません。
大企業に向いていない人~職場環境編~
続いて、
大企業に向いていない人の特徴について、職場環境の観点からお伝えします。
①転勤したくない人
大企業は転勤がつきものであることが多く、
「定住したい」「単身赴任は嫌だ」
という人には向いていません。
人生は長い目で見ることが重要です。
就職活動をしている時は、
「大企業に入りたいから多少の転勤は我慢しよう」と思っている人。
若いうちは良いです。転勤先で新しい人・モノ・場所との出会いがあり、自分の人生の幅を広げられる可能性があります。
一生同じ場所に住んでいるよりも、全国各地ないし海外を転々とした方が会話のネタも増えますし、価値観も広がります。
一方で、年齢を重ね、結婚して子供ができてからはどうでしょう。
子供が成長するにしたがい、転勤の度に家族を帯同させるのは難しいため、自然と「単身赴任」することになります。
単身赴任により家族との時間が取れず、家庭環境の悪化、熟年離婚に繋がるなど、”転勤族のリスク”を考えたうえで大企業への就職を考えるべきだと私は思います。
単身赴任をしている夫婦は同居している夫婦に比べると、離婚率が倍近くになるということが分かっているのです。
https://smartlog.jp/148493
②宴会など大人数の場が苦手な人
大企業は社員数が多いだけあって、大人数での会食の機会が多いです。
私の会社では、歓送迎会のシーズンになると、「チーム単位」「課単位」「グループ単位」「部単位」で飲み会が開かれ、
何回同じ人たちと飲み会するねん!
と突っ込みを入れたいところです。
また、新入社員なら、飲み会やイベントの幹事を担当しなければならならず、上司や先輩が口を揃えて言うのは
幹事ができない奴が仕事できるわけがない
まさに、飲み会の幹事は仕事で一人前になるための登竜門。
このように、「下働き」が嫌い・苦手な人は大企業に向いていないです。
③3Y社員に我慢ができない人
私は、大企業にのうのうと居座り、仕事ができないにも関わらず高給をもらい続ける方々を「3Y社員」と、私は勝手に呼んでいます。
✔ 3Y社員とは何か?
やらない |
与えられた仕事に対して難癖を付け、 |
やれない |
そんなことも知らないの?とびっくりするほど |
やることない |
上記「2Y」により、周囲からは仕事を振るのも |
「3Y」というのは私が勝手に決めた単語ですが、このような方々は実際に存在します。
そして、我慢ならないのは、真面目に働いているその他の社員と大して給料に差がないことです。
その状況を見て見ぬふりができない人は、大企業には向いていません。
他人は他人として、割り切ることが必要です。
大企業に向いていない人の特徴を把握して客観的に自分を見つめ直そう
ここまで、大企業に入っても幸せになれない人(=向いていない人)について、大企業で働く私の思う観点を述べてきましたが、ここでもう一度復習します。
◆キャリア編
①若いうちから責任の大きい仕事をしたい人
②早く部下を持ちたい人
③スピード感のある仕事をしたい人
④意味の無い作業に我慢ができない人
◆職場環境編
①転勤したくない人
②宴会など大人数の場が苦手な人
③「3Y」社員に我慢ができない人
以上に該当する人は、大企業に入るとストレスを感じてしまいまう可能性が高いと思います。
私自身、これらの項目に該当しないタイプの人間だと思っていましたが、外から見る大企業の華やかさと、中身のギャップは感じています。
ですので、これから就職先を考える方には、
「大企業=幸せ」という固定概念は捨て、自分に合う会社を見つけて欲しいです。
自分に向いている会社は、プロと話すことで見えてくるものがあります。
大企業は給料や福利厚生が良いため、一度入ってしまうと抜け出しづらいです。
自分が本当に大企業で働き続けられるのか、入念に確認することをおすすめします。
【関連記事】大企業でも人生負け組?大企業の社員は本当に勝ち組なのか